横浜539のブログ

技術ブログっぽい雑記。

新しい仕事に就きます。

来月より、新しい仕事に就きます。所属会社が変わります。
転職エントリ的なものです。

今まで何をしていたか

通信建設会社(通建)に所属していました。
一般的な通建の仕事として「電信柱に上って光ファイバーを布設する」や「家のネット開通の時に宅に上がり機器設置や疎通試験をする」や「鉄塔に登って無線基地局を構築する」のイメージが強いと思います。
私が直近で所属していた部門はそういった業務ではなく、伝送路設備を持つ通信事業者(キャリア)のビル内にある伝送交換(コアネットワーク)設備一式の工事を担当していました。「一式」というのは通信装置だけでなく、給電元の電源装置や収容する架なども含まれる、という意味です。
装置やケーブルの新規設置や撤去などに係わる物理作業や、装置へ設定投入をする論理作業を建設業法に則って進める業務でした。

ちょうど私が入社した頃、宅内~キャリアのビルまでの物理ケーブルは銅線(メタル)から光に、交換方式は回線交換からパケット交換へと、物理/論理ともに通信方式に変革が訪れていた時期でした。
そのため、所属会社のみならず通建業界全体で次代に対応できる技術者の育成が急務となっていました。
私も育成計画の例に漏れず内定後、職種変更の打診があり入社前からパケット交換方式のIP技術者としてのスタートとなり、入社以降も一貫してEthernet/IP系装置(いわゆるルーターやL2/L3スイッチ、サーバー)を触る業務に就いていました。

おそらく、当時の業界のIP技術者育成への力の入れ方は国内でも屈指だったと思っています。通建業界内で技術者育成のスキームが完結してしまうほどのレベルまで昇華していました。
入社後しばらくは同じ通建業界内の人達としか会わなかったので、他業界から見て技術力がどの程度なのかよくわかりませんでしたが、後々色んな業界の人と交流を持ち、やってたレベルは高かったんだなーと思うことが多々ありました。

閑話休題

経歴は、まずキャリア網にて「研究開発の支援」という名目で技術習得をしていました。基本的には検証環境での試験が主で、L2/L3周りのプロトコルの動作の検証でした(たまにL7らへんも)
うまく動かないときは各所に説明なども求められたので、技術的な説明力が身についたのではないかと思っています。
検証環境構築~試験がほとんどでしたが、商用で用いる手順書の雛形の作成や商用網のNWアドレス設計、新発売した装置の(機能や性能がイケてるかどうか的な)研究も経験しました。
一番面白かったのは、アクセス~インターネット(ISP)までの機器を商用と同じ物を揃えて、ミニキャリア網的な環境を構築したことです。新卒の時にキャリアグレードな機器を操作できてよかったです。
幸いにも評価は上々で、若手(と言っても3~4年違うくらい)を指導するトレーナー役もやらせて頂きました。社外の方とも関われて良い刺激になりました。

その後は、別のキャリア網でのアプリケーションサーバーの開発業務に従事しました。
こちらはベンダーコントロールが主で、対向システム間の試験の調整役という感じでした。
一例として、対向システムにて新規のIPアドレス(NWアドレス)が追加となった際、(経路情報の追加が必要になるので)ベンダーへお伝えして設定してもらう…的な調整です(実際はIPアドレス系だけでなく色々なパラメーターがあった)
けっこう試験が忙しく、設定有無による通信影響も考えながら日程調整をすると言ったパズル的な業務でした。
正直なところ、対向システム担当もベンダーも対応が微妙な感じだったので、(ベンダーのシステム開発の責任範疇を変えないように)開発用ネットワークの設計やconfigへの落とし込み、設定投入を自チームで巻き取ってしまってました。
試験調整をしつつ、既存のネットワークの調査(物理構成やどんな設定入ってるかの調査)や人員の調整が仕事史上、一番大変でした。プレイングマネージャーはもう勘弁です!と思ったくらいです。
その時にロードバランサー含めたIPルーティング設計や設定が経験できたのは貴重でした。負荷分散のロジックがわかって大変勉強になりました。また移動体通信な網だったので、3GPPに準拠したIMSとLTEの構成も理解できました(もちろんキャリア独自のアレンジはされてる)
シールドルーム(電波暗室)にてSCTP上でやり取りされる某プロトコルをパケットアナライザー通して確認したりなど、レアな経験が積めました。

その後は上述した通り、キャリアのビル内での工事を担当していました。
Ethernet/IP系装置への設定投入関係もありましたが、物理施工の実施&管理が多く作業工程や必要な工事物品、施工品質の見極め方法など工事ノウハウが得られたのは良かったです。ボルト一つ締めるのでも工夫があり勉強になりました。DC-48Vな装置やNEMA規格のプラグも多数あったので電源周りにも詳しくなれました。

どんな会社(業務内容)を探したか

当初は自分の経験がフルに活かせるところ…と考えていましたが、「通信設備施工(管理含)」と「IP技術」の両方を併せた求人はなかなか見つからなかったので、どちらか一方のスキルで募集しているところを探してました。
どちらかと言うと、施工寄りの求人を見てる方が多かったです。
IP技術に関しては、活かせればなおOK程度で考えてました。知人に言ったら「CCIE持ってたのに、もったいない」的なことを言われましたが、そんなに執着はなかったです。
(電気通信主任技術者の)免許持ちとして施工管理周りに従事した方が後々いいかなあ、という考えでした。

就職活動はどんな感じだったか

上述した通り、第一として経験をフルに活かせるところを考えており、公開されてる求人でマッチする業務内容は中々なかったので「スカウトならあるかも」という考えでスカウトサービスに登録しました。
私が利用したスカウトサービスは、企業に紹介できうる人材かどうか見極める面談がありました。
結果、スカウトサービスを利用できる案内を頂きました(結局使わず終いでしたが…)

もしスカウトサービスを利用した場合、企業からアプローチが来て面接を行い、採用の可否…と言った流れになりそうでした。
ちなみに「面接依頼が来たら必ず行くこと」と念入りに説明がありました。

内定までの流れ

Twitterで就活に関するツイートをしたところ、とあるFFの方から「当社どうですか?」と紹介があり、4月の初めにその企業へWebサイト経由で応募しました。
その後、面談を通じて採用を頂いて入社を決めました。応募から採用通知を頂くまで10日ほどでした。
入社理由は色々あるのですが、一番はニッチな技術も含めて経験が活かせそう、というところです。
結果として、Twitter経由でのリファラル採用となりました。たまにTwitterきっかけで転職しました的なツイートを見て「はーそんな事あるのか」と思ってましたが(ネットの流行りとはほど遠い業界にいた)自分がまさか当事者になるとは思いませんでした。

これから何をするのか

ISP/iDCを中心としたIP網のエンジニアリングをする予定です。
内容としては要件定義、設計、構築、運用、監視、トラシューが挙がっていました。ほぼ全てのフェーズですね。
対象ネットワークがインターネット周りという、今までとは異なる領域ですが、根底となる技術は同じなので上手く能力を発揮していきたいです。
昨今、ほぼ電話網と変わらない重要度の通信インフラとなったインターネットにおいて、どこまで貢献できうるか試してみたいです(全くの無能ぶりだったら恥ずかしい…)
また、外部コミュニティに対して寛容(むしろ奨励?)なので、時間ができれば後々参加したいです。これを読んでる方とお会いできる日が来るかも?


書くことあるかなあと思いつつ、結局長々とした文になりました。
来月から気分も一新に励みたいと思います。